陸前高田市の取り組み
「ノーマライゼーション推進」について
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、陸前高田市は壊滅的な被害を受け、多くの方々が犠牲となり、中心市街地は流失し市はその機能を失いました。
私たちが目指す復興は、単に被災した施設や道路などのインフラを復旧させることだけではありません。
災害による犠牲者を二度と出すことなく、尊い命と財産を守る防災・減災のまちづくりを進めるとともに、障がいのある人もない人も、若者も高齢者も、地域で暮らす人も観光や支援で訪れる人も、誰もが快適に過ごせるまちづくりに取り組むことが重要であると考えました。
年を重ねて身体機能や認知機能が低下しても、障がいを持つことになったとしても安心して暮らせる社会、男女が共に協力し合い安心して妊娠、出産、子育てができる社会、困っている人がいたら助けることが当たり前で、いわゆる「ノーマライゼーション」や「バリアフリー」という言葉すら意識する必要のない社会の実現に向けて、さらなる一歩を踏み出します。
協働・共生できるまちにむけて
陸前高田市では、全ての就労困難者(障がい者、高齢者、生活困窮者など)にも雇用創出・就労支援を図るための「ユニバーサル就労」モデル事業と、全国の企業等から障がい者雇用マネジメント業務を請け負う「ダイバーシティ集積」モデル事業に取り組みながら、「誰にも居場所と出番があるまち~匠になれるまち」づくり「匠ビレッジ」モデル事業という形での展開を目指しています。
被災地からゼロベースでの創造的復興を果たすため、「協働共生のまち」=「ユニバーサル・タウン」づくりの実現を目指しています。
ノーマライゼーション推進市民講座
陸前高田市では 「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を掲げています。
これは、「年を重ねて身体機能や認知機能が低下しても、障がいを持つことになったとしても安心して暮らせる社会、男女が共に協力し合い安心して妊娠、出産、子育てができる社会、困っている人がいたら助けることが当たり前で、いわゆる「ノーマライゼーション」や「バリアフリー」という言葉すら意識する必要のない社会」というものです。
中でも“ 障がい者スポーツ” は私たちに感動と勇気を与え、生きる力を育みます。
障がいを持つ子どもたちが陸前高田市への訪問をきっかけに「スポーツ選手になりたい」という人生での選択肢を増やすことが出来れば、本当の意味で「ノーマライゼーションという言葉のいらないまち」が実現できる・・・その想いから、ノーマライゼーション推進市民講座を開催しています。
ふるさと納税梱包
陸前高田市ふるさと納税のお礼品の発送業務のにおいては、生産者からのお礼品の集荷は高齢者の方々、お礼品の梱包・発送業務は陸前高田市の障がいを持った方々が行っております。
震災後、ますます就労機会が減少した中で、高齢者・障がい者・シングルペアレンツなど一般に「経済的弱者」と言われる方々にとって、暮らしていくことが厳しい状況です。
陸前高田市の一般社団法人ドリームプロジェクトではそのような方々の所得を向上し、暮らしやすいまちにしたいという想いから、いろいろな形で仕事を創出し、弱者と健常者が一緒になって働ける環境作りに取り組んでいます。
はまってけらいん・かだってけらいん運動
陸前高田市未来図会議で提唱されたこの運動は、日常生活の中(食卓、買い物、井戸端会議、 病院の待合室など) のあらゆる場面やイベントなど、人が集まる機会に、はまって (集まって・加 わり一緒になって) かだる (語る・話をする) ことを目指しています。
この実現のために、特別な場所ではなく、人が集うさまざまな場面で、人の輪の中にはまり、かだるということが自然と生 み出される場づくりを目指し、そのことが「大切な、大事なこと」と市民の皆さんで共有できるよ うにしていきたいと考えています。
ユニバーサルデザインを取り入れたまち
陸前高田市では、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」アクションプランに基づき、誰もが安心して快適に過ごせるまちづくりをめざして、ユニバーサルデザインの取組みを進めています。
ユニバーサルデザインとは文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障がい・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計を指し、陸前高田市では市役所庁舎内の駐車場、トイレ、受付カウンターの他、わかりやすい案内看板の整備も進めており、外国人や旅行者に対してはもちろん、市民に対しても、誰にでもわかる案内標識や避難路の整備に努めております。